国内外問わず高く評価され、愛用されている方も多い日本のオートバイ用ヘルメット。今回は国内のメーカーの紹介。特徴や強みを雑談交えて話していきます。



Arai

株式会社 アライヘルメット
バイク乗りの間では知らない人はいない日本が誇る二大ヘルメットメーカーの一つ。
創業は1902年 帽子屋さんから始まり、そこから作業用のヘルメット製造、そして新井廣武そのひと自身もバイク乗りでありであったことからバイク用のヘルメットを自作。これがAraiのヘルメットの始まりであり、今ではAraiのヘルメットが世界を魅了するヘルメットメーカーになった。
安全性に関しては真面目過ぎる程のこだわりを感じることが出来る。
Araiのこだわりは衝撃をかわすこと。かわすためには丸く・なめらか・強いことが有効である とのこと。
Araiヘルメットを表現する際によく言われるAraiは丸顔、この強いこだわりからきている。
ヘルメットにはいくつかの安全に関する規格があり、その中でも一番厳しいとされるスネル規格より厳しい独自の『アライ規格』を設定するほどの安全に対する徹底ぶり。
もっとアライのこだわりについて知りたい方はこの動画を見ていただきたい。
エピソード①~⑤まで計20分程のドキュメンタリーな動画。外国向けに作られたのか、英語での字幕とナレーションになっているが、ヘルメットの製造工程も見ることができる。
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SHOEI

株式会社SHOEI
バイク乗りの間では知らない人はいない日本が誇る二大ヘルメットメーカーのもう一つ。
創業は1954年。当時はポリエステル加工メーカーだったが、創立者の鎌田栄太郎が自ら経営する旅館を利用していたホンダの社員から海外製のヘルメットに対する不満を聞いたことがきっかけでヘルメット製造を開始する。
そんな経緯もあり、1965年にはホンダの純正ヘルメットに採用されている。
グローバルな経営展開が上手く、また品質も高く評価されていることから世界でのシェアはナンバー1。
安全性だけでなく、快適性やファッション性を意識したバイク乗り目線の開発をこだわりとしている。
安全性に特化したアライ、総合的な価値を意識したショウエイという差別化図られている。
ちなみにアライ、ショウエイともに四輪用のヘルメットも製造していたが、現在ではアライのみ製造を続けている。
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OGK KABUTO

株式会社オージーケーカブト
創業1982年。始まりは自転車のグリップ製造会社「大阪グリップ化工」という会社。その Oosaka Grip Kkakou の略称が現在のOGKとなった。
自転車もチャイルドシートやバスケット、創業時から続くグリップの製造を行うOGK技研とは分社化され、自転車、オートバイのヘルメットに特化したのが株式会社OGK KABUTO。
バイクヘルメット界隈ではアライ、ショウエイに続く3番目の立ち位置。
アライ、ショウエイはハーフタイプのヘルメットを一般販売していないが、オージーケーカブトは2016年までは生産していた。しかし現在は作っていないのをみるに、近年のバイク乗りの意識向上が感じられる。
アライ、ショウエイと比べると安価な製品が多く、敷居が低いため初心者ライダーの最初のヘルメットに選ばれることが多い。
安全性能も十二分、一般道を走るには文句なし。MFJ公認を取得したモデルもあるためレース等に使用することも可能。

ちなみにこんなに可愛らしいキャラクターもいる。
名前はKabutoマン。マンだから男性なのであろう。オージーケーカブト特別契約社員らしいので正社員目指して精進してほしい。
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WINS

株式会社 ウインズジャパン
ヘルメットメーカーの中では平成21年2月 石川県金沢市で設立とまだまだ新参者な印象。
代表の片岡匡史は元国内A級ライセンスのバイクレーサー。「二輪業界の衰退に歯止めを」と立ち上がりWINSを設立。
この片岡氏、2011年にイギリスの新興メーカー メガリの輸入会社を設立している。このメガリ、250ccの同クラスにはないデザイン性の高さと、破格の新車価格と少々トラブルが起きやすい品質で話題となった。2018年現在は販売を終了している。
WINSの特徴としてはOGK KABUTOとよく比較される安価な価格である。
特筆すべきはA-FORCE シリーズ。軽くて丈夫な素材カーボンを使用し、1,200~1,300gの軽さ。例としてArai の代表作の一つ、QUANTUM-Jは1,580g。他のメーカーでもカーボンヘルメットは存在するが、カーボンヘルメットというジャンルで比べるなら例として、AraiのRX7-RCカーボンヘルメットは希望小売価格なんと24万円。WINSのカーボンヘルメットなら3万台とかなりお手頃。しかもインナーバイザーまでついている。
安全面もJIS規格を通っているので不安要素はない。
またサウンドテックというヘルメット用スピーカーも作っており、WINSのヘルメットには全てこれを取り付けれる専用設計だとか。
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Y’S GEAR

株式会社 ワイズギア
1997年、ヤマハ発動機株式会社の純正アクセサリー専門の子会社として設立。
バイク用品はもちろん船体用品・ライフジャケット等のマリン用品・自転車用品・スノーモービル等の部品等々、ヤマハ発動機が展開している純正オプションやアクセサリー関係の製造をしている。
ワイズギアのヘルメットでよく見かけるのはZENITH(ゼニス)そしてRol lBahn(ロールバーン)、オフロードタイプだとGIBSON(ギブソン)。
この製品の全てではないが韓国のメーカー HJC のOEM製品。
気になる方はタグにMADE IN KOREAの記載がないか確認してみてほしい。
フルフェイスタイプのハイエンドクラスにはアライやショウエイとコラボした製品もある。
シンプルなデザインが多く、一般道を走行するなら安全性も快適性も十分な性能。
価格も1万~高くても3万円台とリーズナブル。
3ブランド
ZENITH(ゼニス) Roll Bahn(ロールバーン) GIBSON(ギブソン)
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リード工業

リード工業株式会社
1949年創業、こちらも自転車の部品製造から始まっている。
バイク関係のアクセサリーを幅広く扱っており、ヘルメット・グローブ・ハンドルカバー・レイングッツ・チェーンロック・バイクカバー・リアボックス・ネット・スマホホルダー・HIDキット等。
他社と比較するとハーフタイプのヘルメットのラインナップが充実している。コルクハーフヘルメットも現役で販売している漢っぷりなメーカー。
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マルシン工業

マルシン工業株式会社
1948年創業。自動車とオートバイの風防の製造販売から始まり、1962年からバイクのヘルメットを生産、約30年間国内にて生産していたが、現在は東南アジアにてOEM生産にシフト。
以前はV・ロッシでお馴染みのイタリア産ヘルメットメーカー AGVの取り扱いをしていたが、2016年に終了。
SG規格を取得しているので安全性は〇。
お求めやすい価格で原付を優雅に操るマダムに人気。
ちなみにモデルガン等で有名なマルシン工業とはまったく関係ない。
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DAMMTRAX (ダムトラックス)

株式会社ダムトラックス
1994年設立。ヘルメット以外にもヘルメットパーツ・グローブ・ステッカー等を販売している。
攻めたもの作りをコンセプトに「面白いものしか作らない」「ノイズを起こすチーム」と自ら謳っている。
ファッション性に重きを置いており、ジェットタイプヘルメットのJET-Dは帽体が小さく、また深く被れるため頭でっかちにならず、実にファッショナブルなアイテム。SG規格のため公道での使用も可。
神奈川県の箱根にあるバイク乗りの聖地大観山にてダムトラックスカフェなるものを開いている。飲み物や食べ物、そしてダムトラックス製品を購入することができる。全社員の名刺の裏にはコーヒー無料券が付いているらしいのだが、社員数は7名らしいので見つけるのはかなりのレアなのでは。。。
ちなみにペット用のヘルメットも販売している。公道での使用は禁止されている装飾品となるので飼い主が着用するのはNG。

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立花

株式会社 立花
1966年に東京都墨田区にて創業。地名である立花が名前の由来。
立花と言えばキラキラのラメが入った鮮やかなカラーのビンテージタイプのジェットヘルメットではないだろうか。このタイプのジェットでは2万円~と強気な価格設定だが、熱狂的なファンもいるそうでバイク用品店で取り扱っているのをよく見る。
公式ホームページと見られるページは2018年4月現在、見ることができない。もしや倒産?詳細は分からず、、、
・立花 公式HP http://www.tachibana-helmet.com/
・代表電話番号 03-3653-6277
電話は繋がるが「ただいま留守にしております。」になってしまう。
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真田嘉商店(さなだよししょうてん)

有限会社 真田嘉商店
知る人ぞ知るヘルメットメーカー。香川県に本社を構える。
自転車通学のヘルメットも製造しており、品質の高さと価格の安さでシェアも多い。
反射テープが純正で付いていたりとかなり業務用なヘルメットを取り扱っている。
画像は新海誠作品の一つ「秒速5センチメートル」第二話コスモナウトのワンシーン。
モデルとなった種子島中央高等学校は単車通学が認められており、指定車種はホンダ スーパーカブ。
ヘルメットの指定はないようだが、この画像のヘルメットは真田嘉商店製とよく似ている。


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まとめ
国内だけでもかなりのヘルメットメーカーがあります。今回紹介しきれなかったメーカーもあるので全てを網羅できたわけではないですが、今回の話を全て読んでくれた方々は周りよりは少しだけヘルメットメーカーに詳しい人になれたと思います。
バイクに乗る際、ヘルメットを被るときにちょっとだけ今回紹介したメーカーの背景を知っておくと違った視点からバイクライフを楽しめると思います。
また気になったメーカーがあったら実際に手に触れてみてはいかがでしょうか。
ではまた別の話で


