MADE IN U.S.A のヘルメットメーカー代表なら「BELL(ベル)」と言っても過言でない。
昔から今でも冷めやらぬ人気のビンテージなスタイルの元祖であり、ヘルメットの原点とも言えるメーカーである。
1923年、自動車部品メーカーから始まり今までの約100年の歴史の中で起きた出来事をロイ・リクターという人物の人生と共に紹介するので是非チェックしてみて欲しい。
【 目次:Contents 】
BELLについて
世界中にファンを持つ「ベルヘルメット」。
始まりは1923年。「BELL自動車部品店」という自動車部品パーツメーカーが舞台。「BELL」という名前は「カリフォルニア州ベル」という地名から来ている。沖縄県那覇でできたから「ナハ」にしたとかそんな勢いだと思うきっと。
このBELL自動車部品店に高校卒業したばかりのロイ・リクターが入社する。
彼は愛車のインディアン・スタウトに乗っており、オートレースに興味を持っていた。その後ロイはオートレースのレーサーになるが、自分の才能はレースよりもレースカーやレーシング製品の製造にあることに気づき、ロイが手がけた車はレースで優勝し実績を積み上げていく。
ロイは1,000ドルでBELL自動車部品店を買取り、車のカスタムホイールなどの製作を手がけ、ロイの店は有名なチューニングショップになっていた。
そんなBELL自動車部品店の分岐点は1946年、レース事故による親友の死だった。ロイが事故で親友を失ったのは2度目であり、この出来事がきっかけでロイは安全なレーシング製品の作成に人生の捧げることになる。
1954年、自動車部品店の裏にあるガレージで、ロイは「500」と呼ばれる最初のヘルメットの製造を開始。この「500」一体何が革新的だったのかというと、それまでのヘルメットは、乗馬用を元にしたハーフキャップで、耳の部分は革で出来ていた。「500」のように耳までシェルで覆っていたのはなかったのである。
カルニディというレーサーがインディ500というレースでこのベルヘルメット「500」を着用した最初のドライバーになる。170周目に、カルニディは壁に激しく衝突してしまうが彼はベルヘルメット「500」のおかげで深刻な怪我を免れたと語っている。ちなみにこの時代のレースでも平均時速は200キロを超えていたという。
これが評判となり、ロサンゼルス警察は、白バイ警官用ヘルメットにベルを採用、最終的には800以上の警察署にヘルメットを提供し続けた。
そして1956年、ベルヘルメットはのBELL自動車部品店の1部門として設立された。これで正式なBELL HELMETの誕生となる。
1957年、「500 TX」、エネルギー吸収EPSライナーシステムを使用した初のモータースポーツ用のヘルメットであり、現在でも絶大な人気を誇っている。
1959年、最初のスネル記念財団基準、いわゆるスネル規格が発表され、ベルが最初に合格した企業になる
1966年、ベルは世界で初めてのオートバイ用のフルフェイスヘルメット「STAR(スター)」を開発。まさに今あるフルフェイスの原点になるのがこの「スター」ということになる。
「Among Us」みたい
1971年には最初のオフロード用のフルフェイスヘルメットを製作。
INDY CAR(当時はUSAC)という4輪レースに出場の選手33名全員がBELLを被っていたという逸話まで。
まさにBELL全盛期とも言える時代であった。
しかし、、、
他のアメリカンメーカーとの関係
当時の4輪のレース用ヘルメットはBell(ベル)とPremier(プレミア)のヘルメットが主流、しかしほとんどがオートバイ用ヘルメットの流用であり、決して4輪のレースにおけるレースドライバーの安全を確保できる品質ではなかったという。
そこでSIMPSON(シンプソン)の創設者ビルシンプソンはベル創始者ロイ・リクターと新たな4輪レース用ヘルメットのプロジェクトチームを提案。ベルとシンプソンのコラボレーションが実現するかに思えた。
しかし1980年、ウィリアム・ジマーマン(ジマーマン・ホールディングスの社長)とジェームズ・マーシャル・ガルブレイス(法律家でありビジネス作家)という人物がBELL HELMETを買収。
これをきっかけにチームは解散。
それでも諦めなかったビルシンプソンはレーサーから熱い支持を得る4輪レース用のヘルメットを完成させた。
こんな話もあったとか。。。。
1980年にロイ・リクターは63歳で引退しました。
その後ロイは66歳で心臓バイパス手術中の合併症によって、1983年7月28日に亡くなった。
1980年代中盤以降BELLの人気は下火になってしまったが、自転車用のヘルメット、4輪用のヘルメット、ウィンタースポーツ用のヘルメットなどの開発も展開し、F1ドライバーミハエルシューマッハが使用するヘルメットになったことも。
その後、分社化や統合などを経てBELL HELMETは今もヘルメットを作り続けている。
ネオクラシックなどの流行からビンテージタイプの元祖であるBELL HELMETが盛り上がってる。今のBELLはMIPS(多方向衝突保護システム)をはじめとするテクノロジーを追求し、オン・オフなどのどんなシチュエーションにおいても、ライダーの安全に貢献し続けている。
BELLヘルメット紹介
ここからはBELLヘルメットの紹介
CUSTOM 500(カスタム500)
ベルが初めて作ったヘルメット「500」。その名前を継承し、現代にモディファイさせたのが「カスタム500」
洗える抗菌の内装に、強固で軽量のガラス繊維混合シェルでクラシックな質感と快適性の両立を実現。
5ボタンストラップでバイザーやシールドの後付けも可能。
STAR(スター)
1966年、ベルが世界で初めてオートバイ用のフルフェイスヘルメット「STAR(スター)」を作ってから約50年以上経った今、BELLがリリースする現代の「STAR(スター)」がこれになる。
頭を守ることにおいてのテクノロジーの追求を続けMIPS(多方向衝突保護システム)、アラミド・カーボン・グラスファイバーを織り交ぜた複合シェルを採用している。
- 視野の広いシールド
- 洗える抗菌内装
- メガネスリット
- インカム用のスピーカーポケット
これらの搭載でフルフェイスとしての快適性にも抜け目がない。
レースに特化させた「RACE STAR DLX FLEX」も用意されている。10%の軽量、衝撃吸収フレックスライナー、調光機能付きシールドの搭載など贅沢すぎる機能を持っている。
BULLITT(ブリット)
1960年台の初代「STAR(スター)」のデザインを意識しつつ、今風にモディファイさせたモダンクラシックスタイルフルフェイスヘルメット「BULLITT(ブリット)」。
ボタンストラップに見えるのはベンチレーション。シールドは現代の可動式、洗える内装、インカム用のスピーカーポケットと使い勝手はそのままに、スタイルはレトロに攻めれる。
ちなみにこの「BULLITT(ブリット)」大手オートバイ通販サイトの「webike(ウェビック)」調べの2020年で最も売れたヘルメットにランクインしている。
ELIMINATOR(エリミネーター)
ブリットのようなオールドスタイルを残しつつ、ドラッグレース感を持たせたストリート風オールドスタイルフルフェイスヘルメット「エリミネーター(排除する者)」。
- 視野の広く、曇り防止加工UVカットシールド
- 洗える抗菌内装
- メガネスリット
- インカム用のスピーカーポケット
シンプルな見た目ながら機能的でかつ非常に軽量。
QUALIFIER(クオリファイアー)
フラッグシップモデル「STAR(スター)」の機能を取り入れつつも価格を抑えたコスパ◯なフルフェイスヘルメット「QUALIFIER(クオリファイアー)」
曇り防止と傷防止のコーティング加工を加えたシールド、ベンチレーションとインカム用スピーカースペース、洗えるインナーなどツーリングを快適にしてくれる機能が揃っている。
REVOLVER EVO(リボルバーエボ)
BELLが誇るツーリングシステムフルフェイス。
- 曇り防止と傷防止のコーティング加工を加えたシールド
- 顎と額のベンチレーション
- インカム用スピーカースペース
- 洗えるインナー
- インナーサンバイザー
システムの名に恥じない多機能性能。
映画「キック・アス」に登場する美少女ヒーロー「ヒットガール」が彼女のシンボルカラーの紫にオールペンされた「Ducati 1199 Panigale(パニガーレ)」に乗る際に使用されたヘルメット。
オールバイオレットに塗装すればあなたも「ヒットガール」
ROGUE(ローグ)
唯一無二のフォルム。タフさと悪さを兼ね備えた雰囲気とハーフヘルメットのスタイルを残したフルフェイスヘルメット。
アゴは磁気接続で取り外しが簡単。スピーカースペースも備えてある。
お気に入りのアイウェアと一緒に使用して欲しい。
BROOZER(ブルーザー)
こちらも強烈な見た目のヘルメット「BROOZER(ブルーザー)」
ジェットヘルメットへの変形が可能なのが特徴だが、驚くべきは1,350gという脅威の軽さ。
顎のパーツを外した際にはさらに軽量化されるということ。
シールドには曇り防止加工、内装はメガネ対応になっている。
MOTO-3(モト3)
洗える抗菌内装とグラスファイバー繊維のシェルで構成されている。
ゴーグル仕様でバシッと決めるのが◯。
MOTO-9(モト9)
MIPS(多方向衝突保護システム)を搭載した本気のオフロードヘルメット。
アラミド・カーボン・グラスファイバーを織り交ぜた複合シェルで軽く、洗える内装で快適に使うことが出来る。
緊急時にチークパットが外れるシステムも搭載されている。
低速・中速・高速とさまざまな衝撃を吸収するフレックスシステム搭載モデルも用意されている。
MX-9 ADVENTURE(エムエックス9 アドベンチャー)
オンもオフも楽しめるアドベンチャータイプのヘルメット。
「MX-9」というオフロードヘルメットがベースなのでシールドからゴーグルに変えて本格オフまで堪能できる。
MIPS(多方向衝突保護システム)も搭載で安全面に抜かりなし。
シールドなしの「MX-9」
終わりに
長い歴史を持つアメリカンメーカー「BELL」。
今のモータースポーツを築いてきた、「エディ・ローソン」「ケニー・ロバーツ」「ジーン・ロメロ」「ゲーリー・ニクソン」「リック・ジョンソン」「ボブ・ハンナ」などの伝説達も愛用してきた由緒あるメーカー。
現代においても安全を第一に考える物作りをあなたも体感してみてはどうだろうか。
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それではまた別の話で。
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