「180°」それはチンバー(アゴ周り)が回転する角度を表す。 by ヘルメットハッカー
そんなわけで今回は革新的なヘルメットを作るフランスのメーカー「ROOF(ルーフ)」の話。
某有名フランスのヘルメットメーカーとも縁があるROOFの創設者「クロード・モラン(Claude Morin)」の話を中心にROOFの紹介をしていきます。
「180°」の意味がまだよく分からないよっ、という方、
某有名フランスメーカーが気になる方、
フランスのヘルメットが気になる方はぜひ読んでみてください。
【 目次:Contents 】
ROOFについて
ROOFは1993年に設立。設立したのはフランス人のクロード・モラン(Claude Morin)
1975年、当時若いエンジニアだったモラン氏は、一般の人々の役に立つようなプロジェクトに出会いたいと考えていた。そして、それはフルフェイスヘルメットのプロジェクトに携わることだと気がついたという。
当時はまだ品質がよく、安全なヘルメット少ない時代。
レーサーでさえも市販のものとそう変わらないものを被っていた時にモラン氏はもう一人の若いエンジニアと組んで、全面がクッションになるフルフェイスヘルメットを開発。しかし残念ながら、このヘルメットを製造するはずだったメーカーは破産をしてしまったため、世に出回ることはなかった。
そんな経験を経てモラン氏は単独で、航空・宇宙工学の世界から来た技術であるハニカム構造を内部に持つ「ニダ」を発表。ニダは少量生産で1,000個ほど売られた。
ニダの後、モラン氏はさまざまなメーカーのヘルメットモデルを手がけることになる。1980年代のF1で人気のヘルメット「GPA」にも携わっていた。
そしてフランスのヘルメットメーカー「SHARK(シャーク)」にも在籍していた。
このような経歴ののちに1993年、自らのブランド「ROOF(ルーフ)」を立ち上げる。
「ブランドの名前は、いくつかの言語ですぐに理解できるものでなければならず、短くなければならない。セーリングや海洋などを指す。もちろん、保護する頭のことを意味している。そして、バイクの2輪に「O」が2つ付いたシンボルマークをつけたかったんだ」とモラン氏は語っている。
そして1995年、「180°」回転するチンバーを備えた初のモジュール式ヘルメット、「BOXER(ボクサー)」はブランドの成功のきっかけとなる。
通常のシステムヘルメットは額の高さほどまでしかチンガードは上がらない。
ロック機構があるものは上げたままの走行も可能だがどうしても気になる部分があるが180°回転することでその悩みを解消。
このボクサーの成功をきっかけにROOFは生産ラインを拡大。
1999年に南フランスで行われてきた製造を、縫製を含む製造のノウハウで知られるベトナムへ。フランス人5人を含む約200人のベトナム人が従業員がROOFの製造に携わっている。
ベトナムのROOFでは、塗料、ニス、装飾のインストール、切断組立、品質管理などの複数の工程を担当。フランスの本社では会社の経営、さまざまなプロトタイプやプレシリーズの研究、開発、テストが行われる場所となっている。
すでに35カ国以上で展開されている「ROOF」。意外にも本拠地フランスでの認知は「スクーターで移動する際に使うヘルメット」というものらしい。
この課題の解決がチャレンジャーであるモラン氏のモチベーションになっているとのこと。
ちなみにROOFでは世界で唯一、天然竹繊維で構成されたヘルメット「BAMBOO」がリリースされている。
「BAMBOO」はベトナムで見た竹製のトレイからアイデアを得たとのこと。売れ行きは商業的には成功したとは言えないらしい。
ヘルメット紹介
BOXXER
BOXERの発売から20年、
- キズが付きにくい&曇り防止加工が施されたシールド
- 快適性が向上した内装
- BOXER V8より50g軽い1600g
などのパワーアップを経た180°回転システムヘルメットが「BOXXER(ボクサー)」
気がつきにくいけどBOXER と BOXXER Xの数が違うので注意。
安全規格であるECE22-05はジェットおよびフルフェイスのダブルで認定を受けている。
BOXER V8も現行のラインナップに存在している
DESMO
180°回転機構を持ちながら、より視界が広く、より静かに、より快適に進化したのが「DESMO(デスモ)」となる。
自動バイザー機能によりチンバー(顎の部分)の開閉と合わせて動作する。
イメージが付きにくいと思うのでYouTubeの動画を参考にしてほしい。
重量は1720gとボクサーに比べたら少し重い。
こちらも安全規格であるECE22-05はジェットおよびフルフェイスのダブル認定されている。
RO200 CARBON
ROOFの本気のフルフェイスが「RO200」
高品質なカーボンファイバーを帽体に使用し1090g(Mサイズまで。Lサイズからは1150g)という脅威の軽さを誇っている。(SHOEIのZ-7 1350gよりかなり軽い)
シールドはキズ防止&曇り防止加工が施されている。
レースでもツーリングでも申し分ない性能を発揮してくれる超軽量フルフェイスとなる。
もちろんECE22-05取得
Voyager CARBON
クラシックな雰囲気を持ちながらスポーティなフォルムを持ったジェットヘルメット「Voyager (ボイジャー)」
視界の広さを確保しつつ、ベンチレーションと空気抵抗を考慮したフォルムで街乗りからツーリングまで器用にこなしてくれるヘルメット。
重量は1300gと軽いのでロングのツーリングでも疲労軽減に貢献してくれる。
終わりに
今回は180°回転するヘルメットで有名なフランスのROOF(ルーフ)の紹介でした。
今でこそ
AIROH(アイロー):REV 19
SHARK(シャーク):EVO
LS2:VALIANT
などの180°回転システムはいくつかあるが、間違いなくROOFの影響を受けているといえる。
本気のフルフェイスにも力を入れており、今後レースシーンでもお目にかかる機会があるかもしれない。
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それではまた別の話で。
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