今回は1950〜1980年台、アメリカにおいてヘルメット創世記を「BELL (ベル)」や「SIMPSON(シンプソン)」と共に築き、のちに拠点をイタリアに移し高品質のヘルメットの代名詞となった「PREMIER(プレミア)」の話。
アメリカで誕生した時に製造していた意外なモノや、現在のプレミアムなラインナップを紹介するのでぜひ読んでみてください。
【 目次:Contents 】
PREMIER(プレミア)について
1956年、アメリカ のカリフォルニア州ウェストミンスターでプレミアは「スケートボード本体」そして「スケートボード用のヘルメット」を製造するメーカーとして誕生。
しかし、モータースポーツへの情熱を持っていたプレミアは自動車用ヘルメットの分野に参入、「高性能のヘルメット」を世に出し全米で優れた成果を上げる事になる。
1970年 プレミアは、「オートバイ用ヘルメットのカタログ」を提供した初めての会社になる。これに関して言えば当時の同業メーカー「BELL (ベル)」や「SIMPSON(シンプソン)」よりも早かったということ。
また女性で最初のスタントマンであるデビー・ローラー(またの名をフライング・エンジェル)や、マン島TTやThruxton 500耐久レースで活躍した伝説的なレーサーフィル・リードを始めとする多くのチャンピオン達が使用した。
1987年にすべての生産施設と所有権をイタリアに移し、100パーセントイタリアのメーカーとなる。
このような経緯からアメリカで生まれたプレミアはイタリアのメーカーであり、高品質で高級、そしてカーボンの技術に優れたメーカーとして君臨している。
ここからはプレミアの製造について詳しく紹介
プレミアの製造哲学
プレミアはカーボンファイバーヘルメットの製造に関するノウハウは多くの研究所と協力して、60年以上のテストと開発で培われてきた。
プレミアの技術者たちは、高品質な材料を使用するだけでなく、材料と機械の観点から最適な組み合わせを選び出すことに長けている。
プレミアのシェルは、「カーボン、ダイニーマ、ガラス」これら最高峰の素材を使用している。さらにプレミアの中のプレミアムなラインは「TVC(チタン/ベクトラン/カーボン)の混合物」によって作成され、シェルの抵抗、弾力性、軽さに優れたヘルメットとなっている。
また、一つの新製品に掛ける研究開発日数は平均730日。生産に必要な手順14工程で12000mもある生産ラインを通る。生産工程の全体の79%は手作業によるもので職人技に支えられていることがわかる。そして17の点検項目を経て市場に送られている。
60年以上にわたって長い歴史を持つプレミアは、高品質という信頼を勝ち取るためにとても厳しい工程と卓越したエンジニアの手を経てきたことがわかる。
PREMIER(プレミア)ヘルメット紹介
ここからはプレミアのラインナップを紹介
TROPHY(トロフィー)
ヴィンテージの雰囲気しか感じない見た目のフルフェイスヘルメット「TROPHY(トロフィー)」
このカラーリングだとクラシック感がすごいが最近のカラーリングだとネオクラシック感をしっかり得られる。
カーボンで作られた帽体に洗える内装。
そして簡素な機能ではあるが恩恵とも言える重量はなんと1.220±50g
プレミアの歴史をしっかり感じられる一品。
MX(エムエックス)
オフロードヘルメット原点を形を纏うビンテージオフロードフルフェイス「MX」
こんな見た目だがこちらもしっかりカーボンを使用したシェルで出来ていてその軽さは1.200 ± 50g。
バイザーをつけてゴーグルで決めてもいいし、シールドを付けてネオクラシックにしてもいいし、そのままゴーグルでビンテージに決めてもいいし、何してもかっこいい。
LE PETIT CLASSIC(ル・プティ・クラシック)
クラシックスタイルのジェットヘルメット「LE PETIT CLASSIC(ル・プティ・クラシック)」(イタリア語で読むのが難しい)
シールドなどの余計なものはいっさいついてないまさにシンプルなジェットの原点。
ボタンストラップを利用してバイザー、またはシールド取り付けも可能。
重さは800 ± 50g
スペシャルなカーボン素材を使用したアニバーサリーコレクションモデル
重さはノーマルモデルよりも50g軽い750 ± 50g
VINTAGE(ヴィンテージ)
シールドを内蔵したクラシックジェットが「VINTAGE(ヴィンテージ)」
収納可能なシールドでスタイルを崩さずに快適性を得られる優等生。
重さは990 ± 50g とやはり「LE PETIT CLASSIC(ル・プティ・クラシック)」に比べたら重くなるが、1キロを切っている。
スペシャルなカーボン素材を使用したアニバーサリーコレクションモデル
重さは890 ± 50g
こちらはシールド内蔵機能がないので注意。
HYPER(ハイパー)
プレミアが誇るフラッグシップフルフェイスヘルメット「HYPER(ハイパー)」
- 何度もテストを重ね高められた空力性能
- 強力なベンチレーション
- 緊急時にすぐ外せるリリースシステム
- メガネ対応の内装
- 曇り防止のピンロックシート内蔵
- スモークシールド同梱
- 取り外して洗える内装
軽さは 1.370 ± 50g
軽いヘルメット代表とショウエイのZ-7とほぼ変わらない重量。
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カーボンシェルを塗装せずに見せるモデルはさらに軽い1.220 ± 50g
VYRUS(ヴィルス)
プレミアの高性能システムヘルメット「VYRUS(ヴィルス)」
- インナーサンバイザー装備
- 強力なベンチレーション
- 緊急時にすぐ外せるリリースシステム
- メガネ対応の内装
- 曇り防止のピンロックシート内蔵
- UVカット加工のシールド
- 取り外して洗える内装
- バックル式の顎ひも
システムヘルメット定番の機能は一通り揃えられている。
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X-TRAIL(エックストレイル)
バイザー + システムヘルメットのデュアルパーパスヘルメット。
- インナーサンバイザー装備
- 緊急時にすぐ外せるリリースシステム
- メガネ対応の内装
- 曇り防止のピンロックシート内蔵
- UVカット加工のシールド
- 取り外して洗える内装
- バックル式の顎ひも
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バイザーのないモデルは「DELTA(デルタ)」として用意されている。
EXIGE(エキシージ)
プレミア現行ラインナップで唯一のオフロードヘルメット「EXIGE(エキシージ)」
機能は簡素だが、4箇所のベンチレーションと洗えて耐久性の高い内装、空力性能を考えたロングバイザーで十分に戦闘力の高いオフロードヘルメットになっている。
カーボンで出来ていないが、そのため価格は安いものの、重量1.380 ± 50gと少し重いのがマイナスポイント。
終わりに
今回はアメリカで生まれ、イタリアで育った高品質・高級品のカーボンの職人メーカー「PREMIER(プレミア)」の紹介でした。
1950年台〜のアメリカにおけるヘルメット黎明期における役者「ベル」「シンプソン」「プレミア」のメーカー詳細の話が揃ったのでまだ読んでない方は合わせてチェックしてみてください。
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それではまた別の話で。
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