「アライ」と並び日本のトップヘルメットメーカーとして君臨する「ショウエイ」。
世界的なシェアで見た場合は「SHOEI-ショウエイ-」の方が多いとのこと。
今回はそんなショウエイの話。
アライのヘルメットと比較したい方、ショウエイのヘルメットが欲しいけどどれにしたら良いのか迷っている方は是非参考にしていただければ幸いです。
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SHOEIについて
- アライと並ぶ日本のトップヘルメットメーカー
- グローバルな販売網をもっており、世界トップシェア
- ヘルメットのフォルムがアライが丸顔にたいしてショウエイは面長
- イギリスの安全検査機関SHARPではアライよりショウエイの方が評価が高い
- 安全性はもちろん、快適性、所有感、ファッション性を追求したプレミアムヘルメット
創業は1954年。当時はポリエステル加工メーカーだったが、創立者の鎌田栄太郎が自ら経営する旅館を利用していたホンダの社員から海外製のヘルメットに対する不満を聞いたことがきっかけでヘルメット製造を開始する。
そんな経緯もあり、1965年にはホンダの純正ヘルメットに採用されている。
グローバルな経営展開が上手く、また品質も高く評価されていることから世界でのシェアはナンバー1。
安全性だけでなく、快適性やファッション性を意識したバイク乗り目線の開発をこだわりとしている。
安全性に特化したアライ、総合的な価値を意識したショウエイという差別化図られている。
ちなみにアライ、ショウエイともに四輪用のヘルメットも製造していたが、現在ではアライのみ製造を続けている。
ちなみにショウエイはインターネットでの販売についてはフィッテイングの観点からオススメしておらず、このようなことを宣言しているのでチェックしてみて欲しい。
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ヘルメット紹介
X-Fourteen
・フルフェイスタイプ
・2016年4月発売
「Born From Racing」
ショウエイのフラッグシッププレミアムヘルメット。ショウエイの誇る最先端技術が盛り込まれたアイテム。
Born From Racingというキャッチコピーの通りショウエイの「Xシリーズ」はmotoGPをはじめとした世界のロードレースの歴史とともに進化している。なんでもこのX-Fourteenの空力実験にはmotoGP王者マルク・マルケスも参加して開発された。
特徴として一番に目に留まるであろうヘルメットの後ろに付いているリアスタビライザー。
X-Fourteenの凄まじい空力性能に大きく貢献しているこのリアフラップは標準装備のワイド型だと直進時の空力性能を重視。レースの使用も考えている方は別売りのナロータイプ取付によって運動性能が上がるとか。
見た目も新しく他にはないデザインで◎。
シールドにも機能が満載であり、曇り防止のPINLOCK® EVO lens が標準装備。
そしてシールドの汚れを一瞬で綺麗にできるティアオフフィルムを取付できるボタンも標準装備。ティアオフフィルムとはシールドの表面に張り付ける薄く透明なフィルムのこと。使い捨てであり、5枚で1000円(1枚200円)くらいする結構リッチなアイテム。レースシーンで多く使用されており、公道最速レース マン島TTでは虫が多いとあってか2~3枚重ねて使用しているとか。
前傾姿勢の多いレースでも視界の確保のため、内装を一新。スーパースポーツに乗られている方には嬉しい装備。
まとめると
- 最も特徴的なリアフラップにより空力性能の上昇。見た目もGood。
- 曇り防止のピンロックシートが標準装備。
- レースシーンでも活躍するティアオフフィルムが取付可能
- 新設計の内装により前傾姿勢でも視界良好
- ベンチレーションにより頭だけではなく頬にも風が当たり快適
デメリットとしては帽体がデカイ。そして重い。
X-Fourteenは1664g(Lサイズ)
ショウエイのシステムタイプヘルメットNEOTEC2が1704gなのでシステムタイプ並みの大きさと重量になってしまっているのも多機能ゆえの弱点。
そしてフラッグシップモデルの共通の弱点としてもう一つ。値段が高い。
しかしそんな弱点をしのぐほどの空力性能、強烈なベンチレーション、フォルムのカッコよさがある。レースや走行会などの参加を考えている方、高速道路での快適性を求める方には是非おすすめしたい。
Z-7
・フルフェイスタイプ
・2014年4月発売
「軽く。小さく。」
ショウエイフルフェイスタイプの中で最も軽量かつコンパクト、そして静かなヘルメット。人気も高くロングセラー商品。
特徴はなんといっても軽さ。フルフェイスタイプなのに1385g(Lサイズ)。他のメーカーのジェットタイプより軽い。下手をしたらオフロードタイプと変わらないかも。手に取った瞬間にお!っと実感できる軽さ。数百グラムもバカには出来ない。聞いたこともないメーカーのヘルメットがこの軽さだったら大丈夫かと不安になるが、ショウエイブランドヘルメットなら安心。
帽体も小さくまとまっている点も◎。頭でっかちになりがちな点がフルフェイスタイプやシステムタイプのデメリットになるがZ-7はコンパクトでありファッション性も高い。
空力性能、ベンチレーション、静音性にも優れており、シールドを閉めた際の密閉感も高く、そして静か。ベンチレーションによる風の量も不満はなく風の抵抗も少ない。
デメリットとしてはアゴしたからの巻き込み風が多いことだが付属のチンガードを付ければ解消できる。(脱着が少し面倒)
値段も2018年6月時点なら3万5千円程度で手に入るのであまりデメリットが見つからない。
- フルフェイスタイプでは考えられない程軽い
- 見た目が小さくファッション性が高い
- 密閉感が高く、静か
- 曇り防止のピンロックシートが標準装備
- ベンチレーションが良く効き、空力性能も高い
カーボンで出来ている訳でもないのにこの脅威の軽さはさすがショウエイと言わざるをえない。多機能のヘルメットが欲しい方、オフロードを走りたいという方以外全員におすすめできるのがこのZ-7。グラフィックもかなりの数が出ているので自分好みの物を選ぶことが出来る。
個人的にこのSEELE(ゼーレ)というグラフィックモデルが攻めたデザインで好み(ちょっとICONぽいかも)
J-Cruise
・ジェットタイプ
・2012年8月発売
「全ての機能を凝縮した、革新のインナーサンバイザー・オープンフェイス」
ショウエイの多機能ジェットヘルメット。特徴はシールドの内側に内蔵されたサンバイザー。
多機能なヘルメットが続々と登場している最近ではこのようなモデルは全く珍しくなくなってしまったが、アライにはこのようなモデルがないためアライかショウエイでバイザー格納型のジェットタイプが欲しい場合、このJ-Cruise一択になる。
このサンバイザー、グローブをしたまま開け閉めしやすいのでトンネル等の明るさが極端に変化するところでも慌てず対応できる。
シールドも巻き込み風があまり入ってこない設計、そして空力性能も十分なのでジェットの弱点である風対策もばっちり。
アゴひもの固定方式が定番のDリングではなくラチェット式になっているためグローブを付けたままでも脱着しやすく乗り降りの際のストレス軽減に役立っている。かといってDリングより事故の際外れやすい設計ではなくしっかりとした作り。ヘルメットホルダーに掛けられるようにリングも付いている。一度これに慣れるとDリングには戻ってこれないという声も。
- 内蔵されたサンバイザー
- 良く効くベンチレーションと密着性の高いシールド
- 脱着しやすいラチェット式のアゴひも
デメリットとしてはジェットタイプなのに少し重い、そしてすこしデカイ。サンバイザー内蔵機能の分大きさと重さがすこし犠牲になってしまっている。重さは1474g(Lサイズ)とZ-7より重いがアライのジェットヘルメットSZ-RAM4が1450gなのでそこまで気にならないかも。(Z-7が軽すぎ)
もう一つ注意点として、曇り防止のピンロックシートが標準装備ではないので欲しいと思ったら別途購入する必要がある。
J・O
・ジェットタイプ
・2016年4月発売
「ENJ・OY THE RIDE !」
クラシックなジェットタイプのJ・O。通勤やちょっとそこまでの足車からアメリカン・クラシック・ネオクラシックに乗っている方におすすめのヘルメット。
最大の特徴はは内臓されたハーフタイプのシールド。通常のクラシックジェットだとシールドを付けることが出来るが、帽体に付いているボタンに留めることになるため隙間からの風が気になったり外れてしまう可能性もある。
J・Oのシールドはメガネやサングラスをしたままでも干渉することなく使用できる上に巻き込み風を最小限まで抑えた作り。
またシールドがおりてくる位置を三段階で微調整できるのもショウエイの懐の広さ。
ジェットタイプの強みである軽さもしっかり掴んでおり1099g(Lサイズ)。帽体の大きさも一般的なジェットとそう変わらないのでシルエット的にも良し。
デメリットとしてはやはりシールドの範囲が目の部分だけなので顔面目掛けて飛んでくる虫や小石等は容赦なく鼻や口、頬を襲う点。価格も3万円程度なのでジェットタイプにしては少しお高く感じてしまうがそこはショウエイ製のヘルメットだと思えば妥協点。
- クラシックジェットタイプだが格納型のシールド機能搭載
- 軽さ・コンパクトの両立でファッション性高い
- サングラスやメガネをしてても使えるシールド
- シールドの機能性が高く巻き込み風も少ない
シールドはクリアーだけでなくイエロー、ダークスモーク、ミラーゴールドが別売りで販売されている。日光の眩しさを軽減でき、夜間もそれほど暗く見えないイエローがおすすめ。
NEOTEC Ⅱ
・システムタイプ
・2018年5月発売
「ライダーの要求を高次元で融合した、先進のシステムヘルメット」
ショウエイのシステムタイプヘルメット。人気の高かった前作のNEOTECががっつり進化。
- インナーサンバイザー装備
- 曇り防止ピンロックシート標準装備
- 前作より良く効くベンチレーション
- 空力性能を高めたフォルムで風に煽られにくい
- 巻き込み風が入りにくいインナー、静音性の向上
- 脱着しやすいラチェット式のアゴひも
- NEOTEC Ⅱ専用のインカムが別売りで用意
ざっと並べただけでもこれだけの機能。何不自由なく街乗りからロングツーリングまでこなせてしまう豪華装備のヘルメット。
システムタイプは構造上隙間が多く風切り音がうるさくなってしまうがNEOTEC Ⅱはかなり静か。作りがしっかりしているため密着性に優れている。
バイクのインカムを数多く販売しているSENA(セナ)とのコラボレーションし、NEOTEC Ⅱ専用設計のインカム「SRL」を取付れば音楽からラジオ、会話やナビゲーションを音声で聞く等が出来る。インカムはヘルメットの外側に取り付けるのが一般的だが、本体が大きく出っ張ってしまい見た目が気なったりスクーターのメットイン、リアボックスに入らない・引っかけて破損する問題があった。
SRLはさすが専用設計とだけあって見ただけでは付いているのがわからない程。
これは前作のNEOTECにも用意されていた。
SRLは3万円程度で購入できる。(2018年7月時点ではAmazonでの取扱い無し。米国Amazonでは取扱い有。)
デメリットはシステムタイプの宿命となる重さと大きさ。1704gと前作NEOTECの1725gより少し軽くなっている。これだけの機能があって重さも大きさもX-Fourteenそんなに変わらないところに企業努力を感じるべきか。
HONET ADV
・アドベンチャータイプ
・2014年4月発売
「SHOEIが切り拓く新たなカテゴリー、SUH-Sport Utility Helmet」
Sport Utility Helmet 要するにオフロードタイプにシールドが付いたアドベンチャータイプのヘルメット。アライでいうツアークロス3の立ち位置。
見た目からして空力性能が良さそうなバイザーは高速でも風で煽られないと評判。もちろん日光のガードや泥除け、雨がシールドに当たるのも軽減してくれる。
シールドにはピンロックシートが標準装備。
またオフロードを嗜む方には嬉しい機能としてシールドを全開にしたままゴーグルを使用することが出来る。
シールドの取外しも簡単なのだが、オフロード走行時はシールドを全開でゴーグル使用。行きや帰りのオンロードはシールドを使用するといったことがストレスなく出来るのはうれしい。
- 空力性能の高いバイザー
- 曇り防止ピンロックシートが標準装備
- シールドを付けたままゴーグル使用が可能
- 高い吸放湿性をもつ素材の内装で肌触りがいい
オールマイティになんでもこなせてしまうヘルメットだが、似合う車種がオフロード・モタード系に限られてしまうのが欠点。
VFX-WR
・オフロードタイプ
・2018年6月発売
前作VFX-Wより軽くなったと評判。発売されたばっかりでこれからグラフィックモデルも続々登場するとのこと。
・まとめ
『レースや走行会で使用したい、高速でも快適な最高峰のヘルメット』
・X-Fourteen
『軽さは正義』
・Z-7
『快適なツーリングを手軽に味わいたい』
・J-Cruise
『快適性とファッション性は捨てられない』
・J・O
『一度味わうと戻れない多機能ツール』
・NEOTEC Ⅱ
『オンでもオフでも快適さは譲れない』
・HORNET ADV
『オフロードをがっつり楽しみたい』
・VFX-WR
終わりに
アライとともに日本の工業製品のレベルの高さを世界に知らしめたショウエイのヘルメット。
アライには用意されてないタイプのヘルメットもショウエイのラインナップにあるので痒い所に手が届く点ではショウエイが一歩リード。
ショウエイの品質の高さを是非味わってみてはいかがか。
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それではまた別の話で。
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