オフロードを嗜んでいる方はもちろん、オンロードを嗜む方でも「FOX-フォックス-」という名前を知っている方は多いのではないだろうか。
オフロードにおいてはモトクロス・エンデューロ用のヘルメットはもちろん、ブーツ、シューズ、グローブ、グローブ、ゴーグル、プロテクター、ショック(サスペンション)、ジャージ・パンツなどなど揃わないものはないほどのラインナップ。
MTB(マウンテンバイク)用の装備も充実しているし、ウィンタースポーツやマリンスポーツまで幅広く揃っている。
今回はそのFOX-フォックス-について紹介していきます。
フォックスの歴史、どうして有名になったのか、現行のヘルメットラインナップを紹介していきます。
創業者の肩書きがびっくりなのも注目。
FOXについて
1974年、「ジェフ・フォックス」という人物が、「Moto-X」という小さな会社を立ち上げたことからフォックスの歴史は歩き出す。
この「ジェフ・フォックス」。実はサンタクララ大学の物理学教授というびっくりな肩書きがある。彼は学生時代、通学でホンダの「CL175」に乗っていた。
彼はキャンパスの隣に停められていたバイクが常に泥にまみれていることが気になり、「どうしてこんなことになったのか」と尋ねたことがオフロードを知るきっかけとなり、そしてジェフ自身がレースへ参加するほどハマって行った。
バイクの世界にどっぷりだったジェフだが、卒業後も勤勉に学び物理学の教授にまでなる。
行きつけのバイク屋の店長に独立を持ちかけられたが、投資という手段で参加。
のちにやりたいことが食い違い独立し「FOX」の前身となる「Moto-X」を立ち上げることになった。
ちなみに現在はジェフ・フォックスの息子達である「Peter Fox (ピーター・フォックス)」と「Geoff Fox(グレッグ・フォックス)」が経営をしているのだが、2人の意見の食い違いから「SHIFT MX(シフト)」というメーカーが生まれている。
話を戻すと「FOX」の前身となる「Moto-X」は「モトクロスレーサーのための高性能パーツを製造すること」を目的としてサスペンションやエンジン部品を製造、そしてヨーロッパのモトクロスパーツとアクセサリーの販売事業を行なっていた。
1977年、自社製品のパフォーマンスの高さをアピールするためにプロのモトクロスチーム「Team Moto-X Fox」を設立。AMA 125 ccナショナルチャンピオンシップシリーズで5位、6位、7位を獲得し、ライバルである日本のファクトリーチームの相手にフォックスの力をアピールできたことになった。
このシリーズ中、「Team Moto-X Fox」のライダー達は、「レッド・イエロー・オレンジ」の鮮やかなウェアを身につけていたことがかなり目立ち、「FOX」というブランドに火をつけるきっかけとなった。
1980年、フォックスのライダーであるマーク・バーネット(Mark Barnett)がフォックス初の全米チャンピオンに、1982年にはフォックス所属のブラッド・ラッキー(Brad Lackey)がアメリカ人初のモトクロス世界チャンピオンに輝いた。
フォックスがスポンサーを務めるライダーは、モトクロスおよびスーパークロスの全米選手権を40回以上も制覇。2006年には、フォックス・ライダーのリッキー・カーマイケルがAMAスーパークロス・チャンピオンを獲得。ジェームス・スチュワートはFIM世界スーパークロス・チャンピオンを獲得したことなどからフォックスの地位は完全に確立されたと言える。
今やモトクロス業界だけでなく、フォックス・レーシングは様々なスポーツウェア・アパレル業界で活躍している。シンボルマークの「フォックス・ヘッド」を見かけることは珍しくないほどに普及しているように感じる。
そして今でも“お金で買える最高のモトクロス製品を作る!”という創業者の思いを守るために最善を尽くしているメーカーと言える。
ちなみに通称として今でも「Fox Racing」と呼ばれているが、正式な会社名は「Fox Head Inc.」なんですって。(2006年に「Fox Racing」から「Fox Head Inc.」に社名を変更。レーシングだとバイク関連に限定して連想され、展開している様々なスポーツのイメージを損なわないように変更された。)
ヘルメット紹介
ここからはFOXのヘルメットラインナップを紹介
基本的にV1⇨V2⇨V3の順番に日常使用からレース使用になっていき価格も上がっていく。
V1
FOXのヘルメットの中でも最も安価なエントリーモデル「V1」
エントリーモデルといえども必要最低限以上の装備を搭載している。
- オフロードヘルメットでは必ず欲しい機能の「脱着可能で洗える内装」
- 内部を快適に保つ強力なベンチレーション
- 回転する衝撃を頭に伝えない「MIPS機能付き内装」
- どんな頭でもフィットする細かなサイズ設定
- 磁石によって簡単に取り外せる「MVRSバイザー」
特に「MVRSバイザー」はかなり強力な磁石でついており、転倒などの衝撃では「パコーン」と外れてくれる優れもの。
オフロード初心者や、コストを抑えたい方にはこのモデルが吉。
2019年以降のモデルから「MVRSバイザー」が搭載されているので、購入の際は必ず年式と機能説明に「MVRSバイザー」と記載されているか確認してください。
V2
中級者向けのミッドレベルオフロードヘルメット「V2」
- オフロードヘルメットでは必ず欲しい機能の「脱着可能で洗える内装」さらに抗菌性のXT2ライナー/チークパッドは消臭効果そして頭部からの湿気を除去してくれる
- 内部を快適に保つ強力なベンチレーション
- 回転する衝撃を頭に伝えない「MIPS機能付き内装」
- 二重密度Varizorb EPSライナーは衝撃を広範囲に分散
- どんな頭でもフィットする細かなサイズ設定
- 磁石によって簡単に取り外せる「MVRSバイザー
V1に比べ、「XT2ライナー/チークパッド、二重密度Varizorb EPSライナー」が追加。
よりハードなオフを安全に楽しみたい方におすすめ
2019年以降のモデルから「MVRSバイザー」が搭載されているので、購入の際は必ず年式と機能説明に「MVRSバイザー」と記載されているか確認してください。
V3
安全性とパフォーマンスはプロレベルのレース対応ヘルメット「V3」
- オフロードヘルメットでは必ず欲しい機能の「脱着可能で洗える内装」さらに抗菌性のXT2ライナー/チークパッドは消臭効果そして頭部からの湿気を除去してくれる
- さらに強化された内部を快適に保つ強力なベンチレーション
- 回転する衝撃を頭に伝えない「MIPS機能付き内装」
- 二重密度Varizorb EPSライナーは衝撃を広範囲に分散
- どんな頭でもフィットする細かなサイズ設定
- 磁石によって簡単に取り外せる「MVRSバイザー
- MCT(Multi Composite Technology)カーボン樹脂とFRP樹脂を混ぜ、軽量でありながら剛性のあるシェル
- 緊急時、首に負担をかけずにライダーからヘルメットを外せるEject Helmet Removal System®に対応した内装。
レースの世界でトップに立ちたい、本気のライダー向けのヘルメットがV3になる。
2019年以降のモデルから「MVRSバイザー」が搭載されているので、購入の際は必ず年式と機能説明に「MVRSバイザー」と記載されているか確認してください。
終わりに
今回はオフロードから様々なスポーツのギアを提供するキツネが目印のメーカー「FOX-フォックス-」の紹介でした。
“お金で買える最高のモトクロス製品を作る!”という創業者の言葉にもあるように、お金で安全は買えます。
より安全で安心なライディングを楽しむためにも、ヘルメット、そしてプロテクターも検討してみて下さい。
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それではまた別の話で。
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